2022.06.13
弊社製剤技術研究本部 大町佳宏が米国薬学会(AAPS)発行の学術雑誌「AAPS PharmSciTech」に発表した論文がこのたび公開されましたのでお知らせします。
【原論文情報】
雑誌名:AAPS PharmSciTech
タイトル:Gastroretentive Sustained-Release Tablets Combined with a Solid Self-Micro-Emulsifying Drug Delivery System Adsorbed onto Fujicalin®
掲載日:2022年6月8日
著者:Yoshihiro Omachi
概要:
胃内滞留製剤(GRDDS)は経口投与された製剤を胃の中に留めて薬物を徐々に放出させることにより,小腸への薬物の移行を遅延し,薬物吸収を持続させる製剤技術です。
しかし,酸性環境下で溶解しにくい薬物や不安定な薬物はGRDDSに適さないとされてきました。
本研究では,胃での溶解性や安定性に問題のある薬物に対して,自己マイクロ乳化薬物送達システム(SMEDDS)と組み合わせたGRDDSを設計しました。
モデル薬物であるフェノフィブラートを最適な組成の液体SMEDDSに溶解し,多孔性無機賦形剤に吸着させて粉末化しました。pH1.2の溶出試験液中では,フジカリン®を用いた粉末状SMEDDSは速やかに溶解し,高い薬物溶出性を示しました。
これらの結果に基づき,薬物放出層と膨潤層からなる胃内滞留二層錠(GR-SMEDDS二層錠)を設計しました。薬物放出層には,粉末状SMEDDSおよび放出制御ポリマーとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を配合しました。
HPMCは水膨潤性ポリマーとして膨潤層にも配合しました。pH1.2の溶出試験液中で、これらの錠剤は胃から排出されない大きさを維持しながら、4〜12時間にわたり薬物を徐放しました。
GR-SMEDDS二層錠は、GRDDSとして、より広い範囲の医薬品候補化合物に適用できる可能性があります。
URL: https://link.springer.com/article/10.1208/s12249-022-02311-y
DOI: https://doi.org/10.1208/s12249-022-02311-y
SharedIt(閲覧専用フルテキスト): https://rdcu.be/cPbp6
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