2019.05.15
原薬プロセスに関する世界的な学術誌であるOrganic Process Research & Developmentの2019年4月号は、日本プロセス化学会の企画により全ての論文が日本発の内容で占められる特集号です。弊社の研究者から総説論文1報と原著論文2報を発表しました。
今回の論文報告のような原薬プロセス研究開発に関する技術と経験がスペラファーマの強みの1つです。今後とも私たちが蓄積してきた合成技術や知識を通じて、お客様の新たな医薬品創出に貢献していきます。
雑誌: Organic Process Research & Development, April 19, 2019, Volume 23, Issue 4.
① タイトル: Efficient Azacycle Formations Developed in Japanese Pharmaceutical Industries: Elegancy,
Logistics, and Training (ELT) “Sandwich” for Process Chemists
ページ: 419–442
著者: Hideya Mizufune
抄録: https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.oprd.8b00412
本論文はOrganic Process Research & Development誌の日本プロセス化学会特集号に向け、日本の製薬業界で開発された含窒素複素環の合成プロセスについて、2000年以降に発表された論文を調査・分類して纏めた総説論文です。含窒素複素環は多くの原薬の基本構造として含まれています。スペラファーマは業界の高い技術を常にウオッチングしながら、医薬品業界および関係学会の活動に貢献したいと考えております。
② タイトル: Practical Preparation of a 1,3,5-Trisubstituted Pyridazin-4(1H)-one Using Selective C1 Unit
Insertion and Cyclization
ページ: 484–492
著者: Akihiro Suzuki, Naohiro Fukuda, Takeshi Kajiwara, and Tomomi Ikemoto
抄録: https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.oprd.8b00394
本論文では,原薬プロセス研究(武田薬品ファーマシューティカル・サイエンスでの研究)として、三置換ピリダジン-4(1H)-オン環を骨格とするPDE10A阻害薬を位置選択的な環化反応により効率的に合成する方法を開発し、さらに数十キロの原薬製造を達成したことを報告しています。
③ タイトル: Construction of a (3aR,4R,9bR)-Hexahydropyrroloquinoline by Stereoselective Hydrogen-
Mediated Domino Cyclization
ページ: 535–547
著者: Masatoshi Yamada, Hirotsugu Usutani, Tatsuya Ito, and Mitsuhisa Yamano
抄録: https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.oprd.8b00365
本論文では、武田薬品ファーマシューティカル・サイエンスから完全に移管された弊社の得意技術である不斉水素化反応を駆使した光学活性ヘキサヒドロピロロキノリン環の新規な合成方法の開発、またその方法を用いた原薬中間体製造について報告しています。弊社オリジナルのロジウム不斉触媒を用いたStereoselective Hydrogen-Mediated Domino Cyclizationは、工業的に有用な不斉合成をもたらしました。
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