2021.02.18
製薬研究本部 山田雅俊らが「Tetrahedron Letters 」に発表した論文がこのたび公開されましたのでお知らせします。
「Tetrahedron Letters 」は、医学・科学技術関係を中心とする世界最大規模の出版社であるELSEVIER社発行の学術雑誌です。
【原論文情報】
雑誌名:Tetrahedron Letters
タイトル:Direct conversion of sec-phosphine oxides to sec-phosphine-boranes using BH3
掲載日:2021年2月1日
著者:Masatoshi Yamada*, Mitsutaka Goto, and Mitsuhisa Yamano
URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0040403921000174?via%3Dihub
DOI: https://doi.org/10.1016/j.tetlet.2021.152837
概要: 武田薬品工業時代に開発した配位子合成に有用なリン化合物の合成法に関する論文を発表しました。有機金属触媒反応において触媒の一部を形成する配位子は、反応促進、位置選択性および立体選択性などを制御する重要な役割を担います。歴史的に多種多様な配位子が開発されていますが、リン化合物が占める割合が最も高いです。
著者らはターゲットの反応を洗練化するためにも配位子をファインチューニングします。その際、設計した構造のリン化合物を合成する必要がありますが、従来の方法だと空気に不安定な中間体を経由する必要が生じる、操作が煩雑な工程が発生するなど合成の難易度が高い点が課題でした。
著者らが開発した方法は、簡便で安定な中間体のホスフィンボラン錯体を与えます。これにより、設計する多様な構造の配位子合成が容易に可能となります。
本研究は武田薬品工業時代からスタートしたものですが、高度な研究文化はスペラファーマに脈々と受け継がれています。なお、本技術に関する特許は武田薬品工業からスペラファーマに譲渡されています。
スペラファーマは培った技術と経験を活かし、これからもお客さまの課題解決をサポートし、迅速な医薬品創生に貢献します。
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